亡魂-28どんぶり一杯の水を

「平成15年の2月でした」
「それじゃ、そのころの新聞に載ったでしょうね」
「道央新聞に載りました」
幸一は、新聞記事の切り抜きを見たら、詳細に分かるだろうと思った。
「ああ、それから霊がとんぶり一杯の水を一気に飲み干しましたよ。よっぽど水が飲みたかったのだろうと思いますが・・・」
「ああ、そうですか。水をね。いや、早速、祀ります」
芳次郎は、小さくぺこりと頭を下げた。
幸一と昭三は、芳次郎の家を出た。
戻ってから久米島に話しをすると、久米島は、一般的な自動車事故だと思うといった。しかし、幸一には、どうも気になるところがあった。それで久米島に
平成15年2月某日の新聞の切り抜きを探して欲しいと話した。
「あるかどうかわかりませんが、調べてみます。なければ警察へ行って調べてみます」
久米島は、早速、取り掛かった。
道央新聞社の支局が、隣町に既に開設されていた。久米島は、電話を入れてみた。本社は旭川市で拠点ごとに支局を置いている。隣町である炭川市に元川市を管轄にしている支局があった。
時々、元川市の警察で顔を合わせる工藤一郎に電話を入れた。

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