亡魂ー35行き詰まった

久米島が、少し困ったような顔をしている。
「久米島君はそう思わないか・・・」
「警察の方で検証しているでしょうね。確か、雪が融け次第、再度現場検証を行うといっていましたよね」
「そうしなければ、問題が解決しないと思うんだが」
「もう少し調べてみます」
「仕事に支障がない程度に、じっくりと時間をかけて調べてみてよ」
久米島自身も中途半端で終わらせたくなかった。
久米島は、これはいい加減な気持ちじゃできないと思った。じっくりと時間をかけ、腰を落ち着けて調べてみようと思った。
久米島は、仕事の合間にそれとなく、調べ始めた。
ある日、警察へ行く前に、道央新聞にその後の経過について記事にしたことがなかったか訊いてみた。
スクラップブックを調べた結果、雪が融けた4月に現場での再調査が実施された記事が載ったとあった。早速、コピーして送るといって来た。
コピーが届いたのは、翌日だった。
早速、封を開けて読んでみた。
「今年の二月に仏坂峠で起きた自動車転落事故について、去る4月3日に現場検証が行われたが、新しい物的証拠は何も見つからなかった。ガードレールの損傷面から見て、当初通りスリップによるものと断定された」と載っていた。
記事から見るとこれで、解決している。
「やはり、初めの報道通りだったのか・・・」
久米島は、行き詰まった。

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