亡魂―7睡魔が

翌晩、澄子は、泊まらないというので、幸三と二人で寝た。
午後の十一時ごろだろうか。
「カタカタ」と音がした。今度は、幸一の耳にはっきりと聞こえた。
「はっと」として目を開けた。
耳を研ぎ澄ました。道路を走る車の音がしない。
「カタカタ」と音がした。
これは、一体どういうことなのか。幸一は布団の中で微動だにしないで次を待った。
一度なると暫く音がしない。
「カタカタ」とまた、音がした。
「カタカタ」と鳴る時間の間隔は不規則だ。
幸一は、そっと、横で寝ている幸三に目を遣った。
静かに眠っている。
澄子がいったように、「カタカタ」と音がした。
これは、何の音だろうか。起き上がろうとしたが、体が全く動かない。
神経は研ぎ澄まされ頭は、冴えわたっている。それなのに、体が、ゆうことを利かない。まるで、金縛りにあったようだ。
仕方がないので、目を閉じて耳に全神経を集中させた。
「カタカタ」と何かが小刻み鳴っている。
幸三は、何が鳴っているのか、家中のものを頭の中で思い浮かべみた。
あれだろうか、これだろうかと思い浮かべているうちに、突然、睡魔が襲ってきた。

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