亡魂ー16 齢は81歳で

「居場所を知っているかい」
「友人が隣町の上元町にいるんですが、そいつから聞いた話なんです。居場所までは、どうかわかりません」
「探す方法は、あるかい・・・」
「友達の実家が、寺ですから、それで、その親父さんに訊いて貰いますか。何か分かるかもしれません」
「ああ、そうしてくれたら、有難いよ」
早速、久米島は、手帳を開き友人の電話番号を確認していたが、
「電話番号が、わかりましたので、連絡を取ってみます」
久米島は、受話器を取ってダイヤルを回した。
なかなか、電話が繋がらない。久米島が、ちょっと首を傾げながら受話器を置いた。
「繋がらないので、後からもう一度、電話をしてみます」
「急がなくてもいいから、あとからでも連絡をとってみてよ」
幸一は、電話を待っているわけにもいかない。隣町の上元川町で町主催の中小学生各町内会対抗野球大会が開催される。その取材に出掛けなければならない。幸一は、バイクに乗って出掛けていった。
久米島も警察へ行くといって出かけた。
久米島は、昼近くに戻ってきた。早速、先ほどの友人に電話を入れた。
今度は、繋がったようだ。
友人の名前は、木島透といって、上元川町の役場の経済部振興課に席を置いていた。
それによると、老婆は、齢は81歳で長谷川ヨネといった。
現在も健在で、頼まれるとノコノコ出て行って除霊などをしているという。
住所と電話番号を聞いたが、電話番号までは、分からないという。住所だけが分かった。

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